世界一過激な化学の授業
ノーベル化学賞に日本人二人が受賞ということで化学が熱い状況の中、Theodore Grayなる人物が熱い。詳しくは下にリンクした記事を読んでいただきたい。
著者Theodore Gray氏は、かのWolfram Research社(数式処理ソフトMathematicaの開発で有名)の共同創設者。なので本業は数理屋さんです。
しかし大学では化学の学位を取得し、趣味(Hobby)としての化学を楽しんでる人物でもあります。
そのマニアっぷりはまったくハンパなく、木製テーブル型の元素周期表を作ってしまったり。
これがあまりにハイクオリティなゆえ、2002年にイグノーベル化学賞を受賞してしまったり。
またさらには、Periodictable.comというビジュアル元素周期表をウェブ上に作り上げてしまったり。
最近ではiPad用元素周期表アプリ「The Elements」を作って公開してたり・・・。
なんなんだコイツは!!まさに「アリエナイ」ほどに多彩な才能を持った傑物といえましょう。
そんな彼が執筆しているのがこの『Mad Science』です。楽しくないわけなどありません!
【書籍】アリエナイ化学実験の世界へ―『Mad Science』 - 化学者のつぶやき
記事中のYoutubeの動画を見ていただければわかるだろうが、熱いってレベルじゃねーぞこれ!という感じである。そんなわけで記事を読んで速攻でブクマし、Amazonで本を注文した。
Theo Gray's Mad Science: Experiments You Can Do at Home - But Probably Shouldn't
- 作者: Theodore Gray
- 出版社/メーカー: Black Dog & Leventhal
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Mad Science ―炎と煙と轟音の科学実験54 (Make:PROJECTS)
- 作者: Theodore Gray,高橋信夫
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さてそのTheodore Grayであるが、本日放送された「日テレ系人気番組が大集合!世界一受けたい授業 秋の最強先生来襲スペシャル」に出演していたので観てみた。
挨拶代わりに飲み物の入ったグラスを渡し、「これでかき混ぜて」とスプーンを渡す。
溶けた。
飲めるかこんなもん。ここで種明かし。
インジウム、ビスマス、スズの合金は非常に融点が低く、配合比によっては50℃程度で固体から液体に転移する。
そういえば封印再度にこれを使ったトリックがあった(未読の人ごめんなさい)。
- 作者: 森博嗣
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2000/03/15
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http://h.hatena.ne.jp/d_pressure/9236532961632102070
この放送のは溶媒に溶解したわけではないのだから「溶けた」じゃなくて「融けた」が正しいのだと思うけれど。この合金ネタで化学ガールネタ作れそうだな(てそういえばメルトダウンネタは書いていたんだった→http://h.hatena.ne.jp/d_pressure/9234088024069340834)。
ここからでんじろうとの対決が始まる。第一ラウンド:浮遊対決。
さらっと「アルゴンガス入れといた」とか言われると吹く。
第二ラウンド:泡対決。
泡を手に持たせて着火。
燃えた。
今度は10人がかりの泡。
激しく燃焼。
ここで種明かし。
こんな危ない泡をプレゼントするのはあんただけだろ、と言わざるをえない。
日本の地上波のバラエティー番組なので過激さもマニアックさも低かったが、まあまあ面白かった。放映時間がほんの僅かだったので、これだけのためだけにGray氏を呼ぶのは勿体無いと思う。
今回の放送で使われたネタはアルゴンガスのを除いて前述の本にも載っているし、公式サイト(http://graysci.com/)にも画像、動画付きで紹介されているので、こちらも見てみると良いかも。
・スプーン:http://graysci.com/chapter-one/gag-with-a-spoon/
・泡爆発:http://graysci.com/chapter-four/blowing-up-bubbles/