NUMB3RS the 3rd season #01-08
ナンバーズ 天才数学者の事件ファイル シーズン3 コンプリートDVD-BOX Part 1
- 出版社/メーカー: パラマウント ホーム エンタテインメント ジャパン
- 発売日: 2010/06/11
- メディア: DVD
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ネタバレ満載なので注意。
また、個々のエピソードで登場した数学についてはWikipediaが詳しいのでリンクを張っておく。
・Numb3rs - Wikiedia(日本語)
・Numb3rs Season 3 - Wikiedia(英語)
#3-01「無差別強盗殺人Part1/Spree」
第3シーズンの最初の話は女性教師が教え子の高校生と犯罪しつつ逃避行する話。ランダム(行き当たりばったり?)に犯罪を犯し逃亡する犯人を、その追跡曲線を解析することで確保しようとするもののうまくいかず、逆にメーガンが人質に取られたところで前半終了。
前シーズン終了あたりでは去就が不明だったアミタはハーバードへは行かず、カリフォルニア理科大の教授に就任するということで決着。これで数学サイドの主要人物(チャーリー、ラリー、アミタ)が全員教授になったわけか*1。凄いだ大学だな>カリフォルニア理科大。
「仮説というのは確立された数学的原理と定理の直感的統合だよ」
#3-02「無差別強盗殺人Part2/Two Daughters」
#3-01の後編。メーガンの誘拐地点と2箇所の出没点を初期パラメータとして「トロール船問題」の方法で犯人と遭遇、メーガンを救出するという内容……だったのだが、この手法については作中では詳しいアルゴリズムは語られず、ググッてもそれらしいものは引っかからず。Wikipediaの情報では渦巻曲線が参照されていたのみ。よく分からないが、起点を中心に渦巻状に動いていけば逃亡する犯人とどこかで遭遇できるはず、ということか。
「物理学ではそういう難問を逆問題で解く」
「つまり結果から原因を探るの?」
「そう、ハンターじゃなく狩られる側の立場で考える」
#3-03「ホロコーストの悲劇/Provenance」
ナチス盗品という曰く付きの絵画が盗難、その流出ルートをネットワーク拡散モデルで追跡していくというお話。
絵画の分析に用いているカーブレット解析(ウェーブレット解析の3次元版とでもいうものらしい)という手法が興味深い。
「宇宙論の誤りには仮定の段階のミスもある」
「仮定が違う?」
「現在の仮定によるとナチス絡みの絵画が闇市場で売れる確率は低い(中略)何らかの売れない事情があるんだ」
#3-04「二重スパイ/The Mole」
事故死した被害者の脚の運動の軌跡を解くことで故意の轢き逃げ=他殺であると割り出し、さらに分岐限定法という組み合わせ手法で犯人の会合場所を推定、確保するというお話。衝突時の加速度の割り出しは車のタイヤ痕分析とかでもできそうだし、犯罪サイドの方は特に派手なトリックもないので、繋ぎのエピソードとして見るべきか。ラリーの新研究とチャーリーとの関係性の話が主軸。
「このクッキーの仕上げには珍味の幾何学を使ってる」
「天才の失敗作ってわけ?」
#3-05「チャーリーVSメーガン/Traffic」
道路網の交通流量を流体に見立て偏微分方程式を解き(流体力学ライクな方法であろうか)、犯行後の逃走経路、犯人の逃走場所を推測するというお話。タイトルがアレだが、別にチャーリーとメーガンの殴り合いとかがあるわけではない。
「一連の犯罪はすべて規則性がなくランダムな場所で起きているように見えるが、一度事件が起きた場所の近くでは起きていない。発生地点があまりにランダムすぎる。故にランダムではない」というのは当たり前だが確かに気付きにくい。こういう観察眼は重要だ。
「脳は均一性をランダムだとし、不均一に意味があると勘違いする。それが不合理な判断につながる」
#3-06「暴かれた賭け Longshot」
競馬場で「2位の勝ち馬を数学的手法(圏論)で予測し、30連勝していた男が殺害される」という事件が発生。「勝つための理論じゃないのに30連勝している」のは何故か?が話の焦点。
「理論が変だったから修正しちゃった。そしたら知らないけど30連勝しちゃったのよ」という被害者の恋人が素敵過ぎる。
それとは別に、段々と秩序サイドから混沌サイドに転がっていくラリーが見所か。
「原始社会では死者との対話に打楽器を使ってたんだ」
「それで誰と対話?」
「私のひらめきの残骸とさ」
「動物のギャンブルは僕の趣味じゃない。カードのほうがいい、キチッとしてて。段階的にテンソル空間が形成される」
「秩序が大事というわけね」
「ラリーの量子物理学の講義を受けたのは大学生の時だ」
「覚えてるよ」
「量子力学と一般相対性理論の矛盾を学んだ最初の講義だ」
「そして今なお2つの理論は統合されていない。それが何?」
「ラリーにも統一理論はないんだ」
#3-07「仕組まれた停電の謎/Blackout」
変電所の爆破事件が起きる。変電所の送電経路によっては大規模停電が引き起こされる可能性があることから、破壊されたとき「最も致命的な影響を与える変電所」はどこかを潮流解析によって分析し、破壊の目的を探る、というお話。ちなみに前のエピソードとは繋がっていたりする。
しかしこの町は犯罪被害者といい犯人といい、高度な数学を使いこなす一般人が多すぎる気がする。こんな町に住んだらさぞ脳が活性化されることだろう。良いなあ。
「かなり考え込んでたね。まるで宇宙の謎を解くように」
「考えてたのは拘置所の件よ」
#3-08「薬物使用の方程式/Hardball」
何度目だかわからないが、セイバーメトリクス*2が題材。主人公が元マイナーリーガーだったという設定もあってか、このように野球ネタは多い。そういえば我が国の某前総理大臣も研究者時代に統計学的手法で野球の分析をしていたらしい。
この回は、コルビーのこの台詞が印象的だった。
「この方程式は殺人の動機になり得ますね」
前後の流れを無視してこのように台詞だけ切り取ると、なかなか衝撃的である。
しかしこういう台詞はコルビーのような脳筋キャラではなくて、別のキャラに言わせると萌え度が上がりそう。
例:
ミルカ「この方程式は殺人の動機になり得るわね」
テトラ「この方程式は殺人の動機になり得ますね」
ユーリ「この方程式は殺人の動機になり得るにゃあ」
……お好きなものをどうぞ(ミルカさんは頂いていきます)。
「幸い人間の行動範囲は宇宙ほどは広くない」